生まれつきの弱視と治療について私の理解の範囲内で少し説明してみます。
人間の視力は、生後約8〜9年で完成されます。生まれた時はみな遠視なのですが、多くは近くに焦点が合わせる機会ごとにそれに長けてきて、それによって視力(ピントを合わせる力)が育っていきます。生まれつきの弱視は、遠視(どこにも焦点があっていない状態)が続くことであり「焦点をあわす」機会と経験がないまま視力が固定されることを示します。そこで「治療用のメガネ」で人為的に近くに焦点があう機会をつくり、その経験によって視力を育てるというものです。
実はハルも生まれてすぐから大学病院の小児眼科を定期的に訪れ受診していました。しかし毎回、問診のみ。「様子を観て行きましょう」の一点張り。ですからトッキーが受診して、言葉のやりとりが不要な検査機が存在し、それで視力を測り眼鏡を処方できると知ったときは驚きました。5年の間に医療が進歩したんだ、ハルの時代にもあったならなあ……。とずっと思っていたのですが、実は「重い知的障害のある人が視力を得たからって何になる?意味ないよ」とばかり、医師のほうに使う気がなかっただけではないか、と最近は疑っています。
赤ちゃんの場合、寄り目(斜視)で見えにくそうだったり、黒目が震えたり流れたり(眼振)しがちなことを心配して受診することが多いですが、気づかれにくい赤ちゃんもいるので、もし症候群の中にありがちな症状として挙げられていたり、水頭症のように何か症状を伴うことが多いもので気になったら、母子手帳のバカバカしい問診や一斉健診を待つまでもなく、小児眼科に一度相談してみるのもいいと思います。
※「こどもの視力」については、下記で分かりやすく解説されています。
平和眼科ホームページURL:
http://heiwaganka.com/index.html
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