p.45 15.ファミリーサポートでも保護者のレスパイトでもない

 ファミリーサポートは、主に自治体や社会福祉協議会などが行う子育て支援事業を指します。多くは、支援をしたい登録ボランティア(サポーター)と支援を求める親を引きあわせるという方法がとられています。
 「保育ママ」などと呼ばれ、サポーター宅での託児を指すことから、待機児童対策として保育園替わりに利用されたり、時間外など保育園で対応できない場合の受け皿になっていて、保護者の就労支援色が濃いサービスです。

 レスパイト(レスパイトケア)事業は、重度心身障害のある子・人の「在宅医療・ケア」を一手に担っている保護者(たいがいは主に母親)を一時的に休ませリフレッシュさせようというサービスで「これまでは入院・入所しか選択肢がなかった重度心身障害のある子・人が、医療の発達のおかげで在宅になったため」に新たに浮上したニーズに答えるためにと、この国では1970年代に始まったようです。ですから、伝統的に(?)一時的に「入院(病院に戻す)」という発想が色濃く残っています。「預けられる」のは病院の空きベッドであったり(病気でもないのに一方的に行動を制限される。つまり社会的入院ということ)、病院でなく入所施設の短期入所(ショートステイ)の場合も、宿泊先はひと部屋二部屋ではなく「一床(しょう)、二床、……」と数えたり。


 いずれにしても、当人には関係のない、親の、保護者の、介護者の都合(理由)なくしては成立しない、介助・介護保障とは全く文脈の異なるサービスです。

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