p.69 32. ピア・カウンセリング

 ピア(peer)は「仲間という意味。

 私がはじめてこの言葉を耳にしたのは、難病の子ども支援全国ネットワーク親の会連絡会ミーティング。「心理学者や医者など専門家がアドバイスするのではなく、(例えば)生まれつき持病や障害がある子の親同士が出会い、仲間として話を聴きあう形の相談。心の悩みが解消される効果がある」という認識でした。親の会連絡会においては、患者会や相談事業を運営する立場の人同士というところでミーティングそのものがピア・カウンセリングになるし、日本水頭症協会の集まりで子どもたちの無事を確かめあい成長を喜びあうのもそうだし、成人した症者同士の出会いもそうだし、療育センターの親待機室でのお茶をのみながらのおしゃべりもそうかなあ、……と、私にとってはピンと来やすい言葉でした。

 「同病あい憐れむ」はネガティブなことに使われる言葉ですが(必ずしもネガティブなことに限らずですが)それに一番近い感じ。今では、案の定、あらゆる相談に応用されています。

 そもそも、ピア・カウンセリングは、米国バークレーのエド・ロバーツさんらによる「自立生活プログラム」の基本的サービスとして提唱したもので、この国では、バークレーで自立生活プログラムを学んで帰国した安積遊歩さんや樋口恵子さんたちが、自らピア・カウンセラーとして紹介したのが始まりでした。自立生活をしている障害のあるひとが、これから自立生活をしようとする障害のあるひとに対して、情報を提供するだけでなく、それまで親元や施設での生活によって損なわれてしまった自信や権利行使の意識など精神面でのサポートを行う、というものです。
 
全国自立生活センター協議会のホームページ
「ピアカウンセリング」とは ↓
二つの役割について、また、単なるアドバイザーとの違いについて、分かりやすく説明されています。


 余計なことですが、聞きはじめた当初は、似た者同士がペアになるから「ペア・カウンセリング」だとか、専門家ではない純粋な者によるから「ピュア・カウンセリング」だとか、海外のものを「何となく」輸入してふわりと飛びついてしまうことの多いこの国ならではの間違った表記が、公が発行したテキストの中さえ非常に多かったのが印象に残っています。

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