p.43 14.きょうだい児のケア

 取り残されて苦しんでいる、病児のきょうだいたちの存在に注目し、日本で最初に「きょうだい児支援」に取り組んだのは、看護師の藤村真弓さんでした。

 生まれてすぐ入院・治療が続いたり、長い闘病生活が続いたりする赤ちゃんのために危機を乗り越えようと、たいがいの保護者は全身全霊、全力を注ぎます。そして夢中になるあまり、きょうだいである子のことがおざなりになったり、蚊帳の外にしてしまいがちです。そのような状況では無理ないことですが、しかし、きょうだいも保護者と同じように動揺しているのです。幼いなりに理由を求め「自分が悪い子のせいだ」と思い込んだり、新しい命に嫉妬する自分を責めたり……誰より心のケアが必要なのです。

 先天性(胎児期)水頭症も、まさしく生後入院・手術という流れが定番ですから、日本水頭症協会ができて間もないころに藤村さんと出会い「きょうだい児支援」の必要性を気づかせてもらったことは、本当にラッキーでした。

 藤村先生は、聖路加国際病院小児病棟婦長、沖縄県立看護大学助教授、茨城キリスト教大学看護学部教授を経て、現在、成増高等看護学校で教鞭をとられています。

 ほか、「きょうだい児支援」の活動については、障害のあるひとのきょうだい当事者の立場から自助グループ「きょうだい支援を広める会」を主催する有馬靖子さんがいらっしゃいます。
 有馬さんには、日本水頭症協会内に「きょうだい児支援」の活動サークルが誕生した平成182006)年から、ファシリテーターとしてご協力いただいています。


※参考資料
DVD「拡がる病児のきょうだい支援」(2014年・秀行企画)
藤村さんの15年の「きょうだい児支援」の取り組みから現場・家庭への提言。
問い合わせ先は、
秀行企画 
356-0056 埼玉県ふじみ野市うれし野2-10-2-208
TEL070-5541-3694(藤沢晶子)
E-MAILinfo@shukokikaku.com



※きょうだい支援を広める会のホームページはこちら↓

https://www.sibs-japan.org/lecture/arima

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