昭和47(1972)年、障害のある人の「自立生活センター(Center of independent living)」を世界で初めて創設し、そのプログラムを考案したのは、米国カリフォルニア州バークレーのエド・ロバーツさんです。ロバーツさんは10代でポリオにかかり、その影響で車いす・人工呼吸器ユーザになりました。カリフォルニア大学バークレー校に進学します。
時は1960年代、社会公認の人種差別が横行していた米国。アフロアメリカンの人たちが「同じ市民としての権利(公民権)獲得を」と、勇気ある抗議行動を起こしていました。ロバーツさんはじめ米国の障害のある人たちは、同じマイノリティー・被差別市民として、公民権運動を自分のこととして感じ、多くの人たちも差別のおかしさに気づき、運動に同調していました。
大学は障害のある学生が学ぶことを歓迎し惜しみない援助を申し出ました。ロバーツさんを皮切りに12名の障害のある学生が同時期に学ぶことになりました。ロバーツさんたちの在学中「学生による介助」や「ピア・カウンセリング」の場など、必要に応じる形でさまざまな取り組みが行われ、仕組みが整いました。ロバーツさんは、この経験をもとに公的助成金を得て昭和45(1970)年に「障害を持つ学生のための援助プログラム」を作り、これをもとに、大学院を卒業する時、「大学を出ても同じように自立した生活を送れるように」と創ったのが「自立生活センター」「自立生活プログラム(Independent living program、ILP)」でした。
基本的なサービスとして、① ピア・カウンセリング ② 自立生活訓練と指導 ③ 介助者の募集、斡旋、研修 ④ 法的権利行使(リーガル・アドボカシー) ⑤ 住宅サービス ⑥ 移動サービス ⑦ 健康管理 ⑧ レクリエーションや文化活動 ⑨ 就労サービス ⑩ 車いすや機器の修理サービス が挙げられています。
清掃用具レンタルやミスタードーナツで有名なダスキンが、昭和56(1981)年、国連で決議された「国際障害者年」にちなんで「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」を発足し、海外で先駆的な障害のある人たちの取り組みや社会制度の仕組みを学びたい障害のある当事者たちを募集する活動を始めました。
この事業に応募して、バークレーに派遣され米国の「自立生活プログラム」に感銘を受けた安積遊歩さん、樋口恵子さんたちと八王子の通所センター「若駒の家」の中西正司さんたちが中心となって、帰国後の昭話61(1986)年、この国初の「自立生活センターである「ヒューマンケア協会」を立ち上げ、その後90年代に入ってから「自立生活センター協議会」発足を呼びかけ全国の自立生活センターがつながりました。
現在、120カ所を超えるこの国の自立生活センター(通称ILまたはCIL)は、このバークレーがお手本になっています。
エド・ロバーツさんの「障害を持つ学生のための援助プログラム」と同じように「高等教育を受ける障害のある学生支援をしようという活動も生まれました。平成9(1997)年、大学を卒業したばかりの脳性マヒで電動車いすユーザの殿岡翼さんが、八王子市の「わかこま自立生活情報室」スタッフとして「大学案内〜障害学生版」の発刊を始めました。殿岡さんは、平成11(1999)年「全国障害学生支援センター」を立ち上げ、以来、受験の時の配慮やアクセシビリティなどきめ細やかな情報発信、ピア・カウンセリングを含む相談事業を行っています。
この事業に応募して、バークレーに派遣され米国の「自立生活プログラム」に感銘を受けた安積遊歩さん、樋口恵子さんたちと八王子の通所センター「若駒の家」の中西正司さんたちが中心となって、帰国後の昭話61(1986)年、この国初の「自立生活センターである「ヒューマンケア協会」を立ち上げ、その後90年代に入ってから「自立生活センター協議会」発足を呼びかけ全国の自立生活センターがつながりました。
エド・ロバーツさんの「障害を持つ学生のための援助プログラム」と同じように「高等教育を受ける障害のある学生支援をしようという活動も生まれました。平成9(1997)年、大学を卒業したばかりの脳性マヒで電動車いすユーザの殿岡翼さんが、八王子市の「わかこま自立生活情報室」スタッフとして「大学案内〜障害学生版」の発刊を始めました。殿岡さんは、平成11(1999)年「全国障害学生支援センター」を立ち上げ、以来、受験の時の配慮やアクセシビリティなどきめ細やかな情報発信、ピア・カウンセリングを含む相談事業を行っています。
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全国自立生活センター協議会(JIL)のホームページで全国の自立生活センターがリストアップされています↓
全国障害学生支援センター
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