p.28 9.介助協力


 動作のため介助を必要とする人がその介助動作に協力するとは?

 介護保険制度導入からこっち、障害のある人の周囲にいる支援者・機関のみならず、世間一般でも使われるようになったおかしな言葉の代表です。
 介護保険制度のそもそもの目的をよくよく思い返せば、その制度で助けようとしていた対象はその介護を一手に引き受けていた家族であり、高齢者その人ではありませんでした。

 障害のある子どもは未だに「障害を軽減・治すために機能訓練(リハビリ)を頑張って努力しろ」と言われ続けていますが、どうして努力しなくてはならないかと問えば「ご本人の生活の質の向上のため」という答えが返って来るでしょう。でも「(障害を軽くして介助負担を減らそうとしてくれて)(介助に協力してくれて)ありがとう」とお礼を言うのは介助者。
 お礼を言われれば、どちらのサービスも「介助する側(のために)」という発想から生まれたものだと知れます。同じ条件が揃っていても、感じる違和感をやり過ごし続ければ、他律に支配されることを受け入れる生活になります。意識の持ちようというのは結構重要なことです。

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